■スペシャルティコーヒーとは?■

スペシャルティコーヒーをご説明する前に、まず、現在のコーヒーという農作物についてお話しておきたいと思います。

世界全体的に見て、コーヒーの品質は年々落ちてきていると言われます。
これにはもちろん理由があります。通常、コーヒーはニューヨーク市場のなかで価格がつけられるので
基本的に価格の幅がある程度決まってしまっています。
生産者はその国のコーヒーを取りまとめるコーヒーボードに出荷するのですが、
中間業者の搾取などにより安くコーヒーを買い叩かれています。

おいしいコーヒーを生産するには、大変な手間がかかります。
土壌のミネラル成分に始まり、ハイブリッド種でないアラビカの在来種を植え、
完熟コーヒーチェリーを収穫。選別。豆が発酵しないよう収穫後の精選処理をしっかり行う。
これら一連のことがすべてにおいてしっかり行われてなければなりません。
しかし、農園の運営にも費用がかかるなか、中間業者の出す買値ではとても丁寧な生産は
できません。

話は変わって1980年代。コーヒー品質低下により若年層のコーヒー離れが進んだアメリカは
SCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)を設立。
生産国の協会と協力しあい、高品質コーヒーを生産させるための啓蒙活動を行っています。
SCAAは高品質コーヒーをスペシャルティコーヒーという概念でとらえ、
その定義を「際立った素晴らしい風味で欠点のないコーヒー」とし、
年々定義や性質について改良を加え、進化させていっています。

さて、日本にもこの数年、スペシャルティコーヒーブームが到来し、
どこのお店も自分のところのコーヒーがスペシャルティコーヒーだと声をあげています。
しかし、スペシャルティコーヒーを広義で解釈すると、そのおいしさが飲んだ人に
伝わるようなものでなければなりません。果たしてスペシャルティコーヒーを名乗っていて、
そのようなコーヒーがどれだけ日本にあるのでしょうか?

SCAAはスペシャルティコーヒーを全く新しい評価基準で評価します。
「カップのきれいさ」、「甘さ」、「酸の質」、「口に含んだ質感」、「風味」、「後味、「苦味」、「バランス」。
欠点のあるなしで品質チェックしていた従来のやり方とは全く違います。
スペシャルティコーヒーの場合、欠点がないだけでなく、
そこから更に際立ったものがなければならないからです。

スペシャルティコーヒーは確かにまだ厳密な定義がありません。
ですが、晩秋はこの新しい評価基準で80点以上という世界でも数少ないトップのコーヒーを
扱い、お客様に、より上のコーヒーをご提供していきたいと思っております。